賭博問題で揺れる日本相撲協会の理事会で、現役力士の琴光喜が角界追放処分
となった。処分に反対した貴乃花理事は、現役力士にチャンスを与えるべきだと主張
したが通らず、琴光喜の解雇が確定してしまう。このニュースを聞いて、協会の対応
にはどうもしっくりこなかった。
解雇と聞いて思い出すのは、数年前に弟子の暴行死亡事件に加わり、相撲界を解雇
された先代の時津風親方だが、あの事件と今回の事件が同じ処分とはいかがなもの
だろうか。
賭博行為が道徳的に悪いのは言うまでもない。しかし土俵の外で起こったことで角界
を追放されてしまうのでは、大関本人はもとより後援会の皆様にとってはあまりにも厳し
すぎる沙汰で何ともやりきれないだろう。
相撲は江戸時代から脈々と続く興行である。他のスポーツでは見られない様々な伝統
が引き継がれている。現役大関の琴光喜は力士として土俵の上では譲れないことが
いろいろあったと思う。協会は、せめて土俵上でけじめをつけられるような後生を残して
あげるべきだった。
貴乃花親方は琴光喜関に力士の一分を持たせてやりたかったのかもしれない。
そうした配慮が一切通らないのはつまらない世の中と言えないだろうか。