今年の大河ドラマに出てくる織田信長という戦国武将に興味を抱かぬ諸氏は
おらぬでしょう。
形式的なものを嫌い、既成のいかなる価値観にも捉われず、己の思いを即刻
実行に移し、新たな世の中を到来させた信長の所業は、ある種悪魔的なところ
もありますが、現代社会の現実の前には時として無力を感じてしまう我々人間に
とっては強い共感を呼び寄せるものがあります。
その合理主義的精神は、閉鎖的であった中世を終焉させ、近代の曙光を到来
させました。それは、戦だけでなく人事においても、ほかのいかなる場面において
も徹底した実利主義を導きだしたのです。
かの有名な桶狭間の戦いのあと、信長が最大の行賞を与えたのは、
敵将の首をとった者でなく、敵の陣形の弱点を読み作戦を献言した者でした。
現代で言えば、ノウハウやアイデアに対する企業の評価の、経営全体のなかでの
比重と共通しているでしょう。
「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」
終身雇用に慣れている現代の日本人にはとても耐えてゆけない考え方だったと
思いますが、人としての役割を鮮明に印象づけてくれた信長の人間的考察には
大きな価値があると思います。
皆さんは織田信長という男にどのような思いを馳せるのでしょうか?