昨日の大相撲千秋楽、横綱白鳳と大関日馬富士の大一番にはテレビの前で思わず力が入りました。2場所連続全勝の優勝を日馬富士が飾り、横綱への道を確実なものとした瞬間に涙された諸氏も多かったのでは。
昨日の大相撲千秋楽、横綱白鳳と大関日馬富士の大一番にはテレビの前で思わず力が入りました。
2場所連続全勝の優勝を日馬富士が飾り、
横綱への道を確実なものとした瞬間に涙された諸氏も多かったのでは。
ご存知のように日馬富士は関取としてはそれほど体が大きくありません。
しかし、その気迫は並々ならぬものがあります。
とりわけ誰よりも勝負に勝つんだという気持ちが強く伝わってきます。
相当な努力と自信が表情から読み取れます。
そんな日馬富士も、2008年に大関昇進してから暫くは足踏みをしていた時期が続いていました。
もう自分の限界かな、そう思い始めていたとき、親方から言われた一言が日馬富士の人生を変えます。
『大関より上を目指すのだったら己の考え方を改めろ!』
日馬富士の師匠である元横綱・旭富士の伊勢ケ浜親方は、
過去の自己体験をもとに日馬富士に珠玉の一言を贈ったのでしょう。
人は誰しも目標を以て行動しているはず。でも目の前を厚い壁に阻まれると、
どこかで自分の能力や気力の限界を無意識に作ってしまい、
当初に持ち合わせていた強い達成意欲が少しずつ溶けてくる。
経験の延長線上に自分の思考が組み立てられ、過去の経験がかえって成長を阻害していく。
考え方を改めろと言われても、具体的方法を実行に移すのは困難の極みなのです。
それでも日馬富士は考えを改め、自分の今までの経験を一旦ゼロベースにして、
当初の目標達成に向け、限りなく強い気持ちで再度上を目指したのです。
全勝優勝が決定した瞬間、日馬富士は土俵に頭をピタリと一度つけてから起き上がり、
取組直前の鬼のような形相から少しずつ笑顔を取り戻していったように見受けられました。
一旦落ち着いてしまった気持ちをゼロベースで見直し、
ふたたび強い想いを持ち続けて結果を出すに至るには
並大抵の努力では叶わなかったのでしょう。
額についた土俵の土にそうした思いが表れているようで思わずググッときました。