Monthly Archives: 10月 2012

2秒先の予測脳を持つ男

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私は学生時代に4年間、体育会アイスホッケー部に所属していたこともあり、

米国留学中、北米のアイスホッケープロリーグ(NHL)のテレビ中継を

週末によく観戦したものでした。

当時、カナダ人のウェイン・グレツキーという名選手がおり、

世界中のアイスホッケーファンでグレツキー選手を知らない人はいないくらいの

スーパースターでした。

このカナダの至宝と呼ばれた不出世の天才は「ザ・グレート・ワン」と呼ばれ、

得点とアシストを合計した生涯ポイントは2857ポイントで歴代2位の選手を

約1000ポイント近く引き離し、引退時点で61個のNHL記録を持ち、

背番号の99番はNHL全チームの永久欠番となりました。

カナダ最高の勲章である「オーダー・オブ・カナダ」を受賞しています。

ここまで説明すると、さぞかし身体能力の優れた強靭な選手を思い浮かべそうですが、

現役時代のグレツキー選手は本人曰く 「近所のスーパーマーケットのレジ係という風情」と

語っているように、他のNHL選手と比べて体格に恵まれているわけでなく、

チームの身体測定では決してパッとしなかったそうです。

ではなにがグレツキー選手をスーパースターにならしめたのでしょうか。

子供の頃から才能を高く買われていたグレツキー選手は、

いつも5歳程度年上に交じってプレーをしていたそうです。

体の小さなグレツキー選手は、強靭な体格を持った周りの選手に勝つためには

自分だけの強みを見出していく必要がありました。

その強みとは「2秒先を予測したプレー」をすること。

彼はこんな名言を残しています。

『*パックのあるところへ滑るのではなく、パックが向かうはずの場所に滑り込む!』

グレツキーは長年にわたり訓練を重ねることで、

2秒先を自分のものにするための予測脳を身につけ、

自分だけの強みに仕立て上げたのです。

*パック:アイスホッケーで使用する直径約8センチ、厚さ約2.5センチの球技におけるボールに相当する硬質ゴム製の円盤。パックを相手方のゴールに多く入れたチームが勝利する。

グレツキーの予測脳の話は、企業マネジメントでも通用します。

優れた予測脳を持つ代表格は、

今は亡きアップルコンピュータの創業者スティーブ・ジョブスでしょう。

反対に、ジョブスを追放している間、アップルを瀕死の状態に追いやった後任の経営者たちは、

データに頼らないと判断を下せない逆タイプの人間と言えます。

人間の脳が予測マシンになり得るのであれば、どうすれば我々はそこに到達できるのでしょうか。

まず知識は浅いと失われるので徹底的にその分野について調べ上げる習慣が必要でしょう。

日々反復学習し、話す相手の目を輝かせるようなストーリーを自然に語れるようになれば、

予測脳に近づいている証拠です。

努力すれば我々もグレツキーのような最初の2秒の優位性を保ち続けられるかもしれません。

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意思決定スピードの経営

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香港株式市場に上場している中国の新興企業の社長さんとのお付き合いを

通じて一番に感じたこと。

それは意思決定の速さ。数千億規模の売上げにもかかわらず、

当社との重要なアライアンスについて驚くべき速さで決めていきます。

もっとも急成長企業ならではの課題に対し当社の技術力を以てタイミングよく

応えられたこともありますが・・・。

10年以上前に日本で大ヒットした「たまごっち」の下請けをしていたこともある同社が、

この10年で売上規模を約10倍に伸ばした要因のひとつは意思決定の速さであることは

まぎれもない事実でしょう。

世がPCからケイタイ、さらにタブレット端末やスマートフォンにトレンドが急速にシフト

していくなかで、私と同年代の社長はそうしたトレンドを素早くキャッチし、

数十億の投資をまるで交通費の承認のような感覚で決議していく。

ただし目の前の課題解決ではなく将来を見据えた投資の意思決定において。

情報化社会の高度化により思考スピードが高付加価値につながっていると

頭では理解していたつもりでしたが、

目の前であれだけの実行力を見せつけられてしまうと少しやられてしまったなぁ、

と感嘆するしかありません。

思えば、日本の高度成長時期も意思決定の速さが日本経済を牽引する原動力

となっていたのではないでしょうか。

「焦頭爛額(しょうとうらんがく)」ということわざがあり、

事前の予防を考えた者を賞さず些末なことを重視してしまうたとえ話がありますが、

今日の日本の大手家電メーカーの衰退を見せつけられてしまうと、

先読みの意思決定を実行できる人物への評価が足りなかったのではないか、

そう思えて仕方がありません。

香港の社長さんはいち幹部社員だったときに企業オーナーから社長への抜擢を受けて以後、

自らの意思決定により会社を牽引してきたと聞きます。

私も新しいパートナーとともに先読みの思考に磨きをかけ、

意思決定のスピードを今以上に上げていきたいと思います。

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