新聞記事を見ていて、ソフトバンクの孫社長の戦略に目を見張った。
企業が考えた顧客に向けたモノづくりの時代が終わりを告げ、
顧客の活動履歴であるビックデータを活用し、
顧客ごとにカスタマイズしたモノやサービスを提供していく時代を予測している。
ビックデータの活用によりB to CのビジネスからC to Bのビジネスを牽引していくそうだ。
一家に一台PCの時代から一家に一台ロボットの時代がきて、
将来は自ら学習する汎用性の生産ロボットを3000万台、国内市場に配置させる。
そうすると、現在1000万人弱の国内の製造業の労働人口は、
24時間働けるロボットのおかげで3000万人×3=9000万人増えることとなり、
日本国内の労働力供給不足は一気に解消できる。
中国やアジア各国における人件費の10分の1以下で
1億人を超える製造労働人口を日本が手に入れれば、
日本はふたたび陽の出ずる国となるストーリーは面白い。
当社が関わる半導体ビジネスにおいても、
スマホ向け半導体市場で独り勝ちしている台湾のTSMCという会社が一日3交代、
24時間体制で研究開発をしていることからも、
都内のコンビニのような時間軸でメーカーの経営を考える時期は遠くないのかもしれない。
総務省の2014年の情報通信白書によると、国内全産業の売上高のうち、
ビックデータの活用によるものが60兆円を超えるという。
ソフトバンクは来年2月に世界初の感情を持った“Pepper”と名付けた
汎用型のロボットを販売するようだが、
このロボットが取り込む情報もビックデータの一部となることを考えていくと、
ロボットが日本を蘇えさせるというビジョンも現実性を帯びてくる。
孫社長はこう締めくくる。歴史的な観点から見ると、
中世の時代から、宗教や哲学などが人々の悲しみを和らげたり
喜びを膨らませる役割を担ってきたが、
これからは情報そのものがそうした役割を担うようになると。
当社もこうした波には是非とも乗っていきたいものである。